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安心して使えるBIが前提になる。10XがCodatumを選んだ理由

By Codatum Team

Codatum導入のポイント

セルフサービスとガバナンスを同時に実現

SQLによる柔軟な探索分析と、チームスペースによるアクセス権管理の両立。データリテラシーを問わず、安全な環境下で全社員が分析に参加できる体制を構築できる。

学習コストの低さが、データ活用の裾野を広げる

勉強会1回でSQLを使った分析の流れを習得でき、既存ツールからの移行もスムーズに。データチームに都度依頼が来るという課題があったが、直感的な操作性により、データリテラシーを問わず全社展開が進む設計になっている。

プロダクト埋め込みへの対応実績

社内活用に留まらず、外部パートナーへのBI公開(プロダクト埋め込み)の実績が選定の決め手に。将来的な用途拡張を見据えられるものであった。

食品小売事業者向けDXプラットフォーム「Stailer」を提供する株式会社10X。複数の小売パートナーを支援する同社では、データ活用のあり方が急速に進化している。かつては中央集権的なガバナンス重視の運用が中心だったが、ビジネスメンバーが自律的にデータを探索できる「セルフサービス化」への転換を目指し、次世代BIツール「Codatum(コダタム)」を導入。

分析ツールの変遷を経て、なぜCodatumにたどり着いたのか。導入後に何が変わり、何を次のステップとして見据えているのか。データアナリスト&アナリティクスエンジニアとして社内データ活用を牽引する上野さんにお話を伺いました。

乱立から中央集権へ、そして「セルフサービス化」へ。 ガバナンスとセルフサービスの両立に課題

――現在のCodatum導入に至るまで、10Xではどのようなデータ活用の変遷があったのでしょうか。

上野さん前提として、弊社ではBIツールを2つの用途で活用しています。1つは社内メンバーによるデータ分析、もう1つは小売事業者であるパートナー企業(以下パートナー)へのダッシュボード提供です。この両方をどう支えるかが、BIツール選定の軸になってきました。データ基盤チームが発足した当初は、ガバナンスを統制する仕組みがなく、個人が使いたいBIツールを自由に使える状態でした。MetabaseやRedashなど複数のツールが混在し、ローデータから直接分析するケースも多く、社内のデータ分析自体をどのように推進するのかを模索していました。

その後、中央集権的な運用体制へと移行しました。ガバナンスを統制するためにTableauを導入し、全社統一のダッシュボードを整備していきました。データ品質が担保され、指標の定義がぶれないという利点はありましたが、一方でパートナー特有の課題を深掘りしたいという当社の用途においては、対応が難しいという問題が出てきました。

モニタリングに最適化した設計だったため、事業の成長とともにデータ活用のニーズが多様化してくると、小売事業者固有の課題を探索・深掘りする柔軟性が求められるようになりました。
さらに、個人情報など機密性の高いデータはセキュリティ上ダッシュボードには載せない方針としていたため、こうした抽出はデータ基盤チームが個別に対応していました。事業が拡大するにつれ、この運用のスケーラビリティが課題になってきました。

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――その後、TableauからCodatumへの移行はどのような経緯で進んだのでしょうか。

上野さんTableauで提供していたダッシュボードをプロダクトで「Analytics機能」として内製実装させるような動きがあり、それに伴ってパートナー向けのTableau提供を終了することになったのですが、それにより、社内の公式BIツールが一時期存在しない状況になってしまいました。
その空白期間に、スプレッドシートが社内で急増し、Looker Studioとスプレッドシートが並行して使われるようになりました。

スプレッドシートは小売事業者への個別カスタマイズ要望にも対応できる反面、運用が属人化して負債になりやすく、社内でのスキル格差も生まれやすいため、全社的なデータ活用という観点では課題が残りました。そういった状況を解決するために、あらためて公式BIツールの選定を進めたのがCodatum導入のきっかけです。

なぜCodatumだったのか? セルフサービス化の方針に合致し、埋め込みまで見据えられた

――Codatumを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

上野さん大きく3つあります。1つ目は、社内のデータリテラシーやセキュリティ意識が成熟し、セルフサービス分析を実現できるフェーズに入ったタイミングで、その方向性に最も合致するツールとしてCodatumが候補に挙がったことです。

2つ目はコストです。現在の利用規模で比較検討した他のツールと比べて、導入ハードルが低く選定に影響しています。

3つ目が、プロダクトへの埋め込み実績があったことです。現在はパートナーである小売事業者へは直接公開せずに社内限定での活用ですが、将来的にはパートナーにBIツールを公開し、小売事業者自身が施策のPDCAを自律的に回せる環境を提供したいと考えています。その際に埋め込みの実績があることは、選択肢として非常に重要でした。埋め込みの可能性まで見据えた上でCodatumに決めた、という感じです。

――Codatum Notebookに分析の文脈が残ることについては、どうお考えですか?

上野さんこれまでのBIツールは、ダッシュボード上の数値を見て「本当に合っているのか」と思っても、その加工過程であるSQLに遡ることができない構造でした。確からしさを確かめようがなく、結局データエンジニアに確認を投げることになっていました。

CodatumのNotebookでは、チャートからそのままSQLの加工過程に遡ることができます。マークダウンで分析の概要が記載され、その下にSQLの詳細がある。分析の全体感を把握しながら、必要に応じて深い層まで見に行ける構造です。

これは単に透明性が高いだけでなく、分析のナレッジが蓄積されるという意味でも大きいです。Notebook上に「この組織ではこのように売上を定義している」「この指標はこう算出している」といった文脈が自然と残っていく。個人の分析が組織の知識資産になっていくところが大きなメリットです。

導入後に変わったこと 意思決定のスピードが向上、「データを見る」が日常に

――実際に使い始めて、どのような変化がありましたか。

上野さん1つはセルフサービス化が着実に進んでいることです。Tableauを使っていた頃は、基本的にデータ基盤チームが作ったダッシュボードを閲覧する使い方が多かったんです。Codatumになってからは、ビジネス本部のメンバーやPMが自分で担当の小売事業のパートナーのデータを探索し、意思決定までのスピードが上がってきています。

もう1つは、定常的なデータ抽出依頼がほぼなくなったことです。以前は個人情報など機密データを含む抽出が必要なたびに、データ基盤チームに依頼が発生していました。Codatumの「レポート機能」を使えば、データ基盤チームが個人情報を含むデータの抽出クエリを作成し、ビジネス本部などの利用者はPIIテーブルに直接触れることなく、レポート経由で必要なデータを取得できます。これにより都度の依頼がかなり減り、チームの工数削減にもつながり非常に助かっています。

――Slack通知をうまく活用されていると聞きました。

上野さんレポート機能を使って、パートナーごとのSlackチャンネルに毎日事業指標を通知しています。朝8時に届くようにしているのですが、それが社内の共通認識づくりにかなり貢献しています。

たとえば、あるパートナーの売上が過去最高を記録した日には、「ギネス」のような絵文字がつけられたりして、BIツールを通じた社内コミュニケーションが自然と生まれています。日々の事業モニタリングやチーム内外の共通認識が取りやすくなる1つのコミュニケーションツールとして浸透しています。

――課題と感じている点はありますか。

上野さんスプレッドシートの引力が、思った以上に強いことですね。当初は日頃から分析をしているビジネス本部のメンバーにまず使ってもらいたいと思っていたのですが、過去のデータ資産がスプレッドシートに蓄積されていることや、外部共有の手段としての便利さもあって、そこからの移行がなかなか進まないケースがあります。

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一方で、想定していなかったメンバーがCodatumを活発に使いこなしてくれるケースも出てきました。自分でクエリを書いてパートナー向けのレポートを作成するメンバーや、分析結果をSlack上で積極的に共有するメンバーが現れています。新規事業側では代表の矢本自身※がCodatumでクエリを書き、パートナー向けのレポートを作成しています。以前なら諦めていた分析にも気軽に取り組めるようになったと言ってもらえていて、経営層からデータ活用が広がっている手応えがあります。

データを自分で見たい人が実際に見られる場所ができ始め、組織の中にモデルケースが生まれてきている状況です。
※10X代表 矢本氏のCodatum導入コメントはこちらより確認いただけます。

AIエージェントへの期待 「安全に使える」を前提に、AIでさらなるデータ民主化を加速

――AIエージェントの活用にも期待されていると伺いました。

上野さん現状の社内フェーズとしては、データリテラシーがある程度高い人やSQLが書ける人がCodatumを使っている段階です。AIエージェントが本格的に使われるようになれば、クエリを書けない人のデータ分析要望にも対応できるようになるので、データにアクセスする人が増えていくのではと期待しています。

ただし、管理者としてAIエージェントを「自由に使っていいよ」と推奨するには、ガードレールがあることが大事です。例えば、ある分析においては管理者が指定する限られたデータしか使えない、といった制約をAIエージェントに守らせられるなら、安心して使ってもらえる。しかし、意図しないデータにアクセスしてしまう可能性があれば、推奨はできません。本来はツール側でガバナンスが担保されているのが理想ですが、現状はどうしても利用者のリテラシーに依存する部分が残っています。結局、エージェントの回答を理解できる人しか使えない状態では、セルフサービス化は進まないんですよね。

10Xのデータ基盤チームでは「ハーネスエンジニアリング」という考え方を意識しています。AIエージェントを自律的に、長く、正しく動かし続けるための環境をどう作るか、という話です。そのために必要な要素が「ガードレール」と「コンテキスト」の2つです。ガードレールは他の小売事業者のデータにアクセスしないといった制御。コンテキストはデータの意味や信頼度、集計ロジックといった文脈の整備です。実は、私たちがデータ基盤でやってきたこと、データモデリング、メタデータ整備、データモデルの用途と重要度に基づき品質を格付けしデータの信頼性を明確にする仕組み、自動テストによる品質担保、これらがそのままAIのハーネスになるんです。人間向けに整備してきたコンテキストが、AIのガードレールにもなる。だからデータ基盤への投資は、今日のBIツール活用だけでなく、AIエージェント時代にもそのまま活きる投資だと考えています。

――「安心して使えること」がセルフサービス化の出発点になる、ということですね。その観点で、Codatumに対しては具体的にどのような点を評価されていますか。

上野さんまさにそうです。セルフサービス化を進めようとすると、管理者側が「自由に使っていいよ」と言える状態を作ることが前提になる。私たちがCodatumに一番求めているのは、「安心して使えるBI」という点です。描画・共有のツールとして使いやすいことはもちろんですが、それを安心して使えるということが一番大事だと思っています。
セキュリティやガバナンスが整っていてはじめて、管理者が「みんな使っていいよ」と言えます。そこが出発点になって、データ民主化は本当の意味で前に進むと思います。

逆に言えば、どんなに便利な機能があっても、その前提が整っていなければ組織には広がらないと思います。セルフサービス化だけに特化したBIツールはたくさんありますし、ガバナンス重視のツールも存在しますが、この2つを同時に実現できるBIツールは意外と少ないです。弊社のようなマルチテナント型の事業モデルにおいて、各パートナーへセキュアにデータを展開・活用したいケースでは、特にメリットを感じやすいと思います。

――そういった観点で、Codatumはどのような企業に特に向いていると感じますか?

上野さんまず、ガバナンスとセルフサービスの両立にニーズがある企業ですね。弊社のように複数のパートナーや部署に対してセキュアにデータを提供したいケースでは、チームスペース機能によるアクセス制御が非常に効いてきます。また、データ基盤チームへの分析依頼が集中して負荷になっている企業にも合っていると思います。SQLベースで探索できるので、ダッシュボードだけではわからない深掘り分析も、データリテラシーのあるメンバーがいれば自分たちで完結できるようになる。管理者が「自由に使っていいよ」と安心して言える環境を作りたい企業には、一番フィットするツールだと感じています。

――最後に、今後の展望を教えてください。

上野さんまずは社内でのセルフサービス化をさらに推進していきたいと考えています。分析結果を積極的にチームへ共有するメンバーが増えるほど、Codatumの価値がより多くの人に伝わり、使う人も増えていく。そういった好循環を社内に作り出すことが、直近の目標です。

さらに将来的には、パートナーである小売事業者へのCodatum公開も視野に入れています。パートナーが自らデータを探索し、施策のPDCAを自律的に回せる環境が実現すれば、私たちが目指す小売DXの深化につながる。そこに向けた基盤として、セキュリティやガバナンス機能のさらなる充実にも期待しています。「安全にデータを民主化できる」という強みを軸に、Codatumと一緒に成長していきたいと思っています。


――本日は貴重なお話をありがとうございました!

社名株式会社10X
所在地東京都
創業2017年
従業員数51〜100名
事業内容食品小売事業者向けDXプラットフォームを提供
お話をうかがった方
データアナリスト&アナリティクスエンジニア 上野さん

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