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多様なステークホルダーへの共有とアジャイルな構築を両立。新規事業にフィットした、成果につながるデータ活用

By Codatum Team

Codatum導入のポイント

KARTEとの連携と高い柔軟性

KARTEに蓄積された行動データをスムーズに連携でき、SQLを用いて見たい指標を自由に書き換えられる柔軟な分析環境を実現

直感的な共有と権限管理

WebベースでURL共有ができ、ITに不慣れなメンバーでも直感的にデータを見られる。詳細な権限設定により、多様なステークホルダーへ安全に共有することが可能

アジャイルな構築とスピード感

要件が変化しやすい新規事業において、対話しながら即座にダッシュボードを修正・構築できるスピード感により、迅速な意思決定をサポート

野村不動産が推進する「芝浦プロジェクト(BLUE FRONT SHIBAURA)」では、オフィスの価値最大化を目指し、入居企業従業員向けアプリ「BLUE FRONT APP」を展開しています。アプリの利用状況を可視化し、テナント企業の満足度向上やビル内サービスの利用促進につなげるため、同社はCXプラットフォーム「KARTE」に加え、データ活用基盤として「Codatum」を導入しました。 

導入の背景にはどのような課題があったのか。また、多岐にわたるステークホルダーとの連携において、データはどのように活用されているのか。芝浦プロジェクト本部 運営部 DX推進課の佐藤さんと臼井さんに、導入の経緯と具体的な効果について詳しく伺いました。

※ 本事例では、CODATUMの親会社であるプレイドのプロフェッショナルサービスによるデータ分析基盤構築の支援を行っております。KARTEに蓄積されたデータを活用し、高度なデータ可視化と迅速な意思決定を実現するためのダッシュボードツールとしてCodatumが採用されています。

アプリで取得したデータを活用し、オフィス価値の最大化を目指す

――まず、お二人が担当されている業務と、今回のプロジェクトにおけるデータ活用の目的について教えていただけますでしょうか。

佐藤さん: 芝浦プロジェクト本部の運営部DX推進課において、「BLUE FRONT APP」「ビルOS」やエリアのサイネージなど、ビル内外でのデジタル施策の統括を行っています。 BLUE FRONT SHIBAURAにおけるデータ活用には大きく3つの領域があります。

1つ目はビルの電気量や下水利用量などのエネルギー関連の分析、2つ目は一般のお客様の人流データ分析、そして3つ目が今回お話しするアプリを通じたワーカー(入居企業の従業員)の方々の行動分析です。 アプリの目的は、ワーカーの方々の満足度を高め、ひいてはビルの収益性を向上させることにあります。

入居企業の従業員の皆様に満足していただくことで、従業員の皆さんの生産性向上や心身の健康向上への貢献、ビルへの愛着につなげることが狙いです。また、ビル内の商業施設やサービスを利用していただくことで、我々のビジネス収益にも貢献します。

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(佐藤さん)

臼井さん: 私もアプリやSNS周り、サイネージ、そしてデータ活用を担当しています。アプリはここで働く従業員の方をメインターゲットにしており、例えば28階にあるジムや7階の食堂などをより活用してもらえるよう、データを使ってアプローチしています。 

ビル内には素晴らしい施設があるのですが、「使い方が分からない」「そもそも知らない」という方もいらっしゃいます。そうした方々に情報を届け、ランチタイムなどに少し良い体験をしてもらうなど、運営側の意図とワーカーの動きをマッチさせるために実装を進めています。


――アプリをリリースされてから、当初の狙いと実際の利用状況にギャップなどはありましたか。

佐藤さん: 元々の狙いと現状では少し変化があります。当ビルは「TOKYO WORKation」というコンセプトを掲げ、緑や海に囲まれた環境で健康的に働いていただき、生産性の向上につながるよう、ビル全体の面積に対して約10%もの共用部を確保しました。これは国内外のビルと比較しても異例の広さです。

この空間を使いこなしてもらうために、アプリで気分に合わせて働く場所をレコメンドする機能などを実装し、行動変容を促そうとしていました。しかし、実際に運用してみると、我々がレコメンドしなくてもワーカーの皆さまが自分なりに場所を選んで使ってくれていることが分かりました。

臼井さん:逆に、設計が甘かった部分もありました。例えば、スマートフォンのカメラでワーカーの方のバイタルデータを診断し、館内の体験メニューをレコメンドする機能があったのですが、これにはカメラの前で10秒以上じっとしていなければならず、忙しいワーカーの方々の「10秒」を作ることが非常に難しかったのです。

リリース後、ダッシュボードを見て「この機能を使っている人が少ないね」という話になり、利用促進に向けた対策を検討しています。やってみないと分からないことも多いですが、KARTEやCodatumで客観的なデータが見えるようになったことで、「次はこうしてみよう」という改善サイクルが回せるようになりました

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(臼井さん)


探索的にデータ分析できる柔軟性とわかりやすいUIが魅力

――データ活用の基盤として、なぜCodatumを選定されたのでしょうか。

臼井さん: 最初はKARTEのみで分析しようと考えていました。しかし、アプリのユーザー数が増えてくると、N1分析だけでなく、企業ごとの利用状況や全体的なKPIを報告する必要が出てきました。

そこで、KARTEのデータと連携して見やすくまとめられるツールとしてCodatumをご提案いただきました。 選定の決め手は、柔軟性とスピード感です。私自身でSQLを少し書き換えて、「ここを割り算したい」「この指標を見たい」といった調整ができる点が魅力でした。入居前で「本当に何を見るべきか」が固まりきっていないフェーズだったので、走りながら変えられるフレキシブルさが重要でした。

――社内では他社のBIツールも利用されていると伺いました。それらとの比較検討はされましたか。

臼井さん: 社内では他社のBIツールが標準的に使われていますが、今回は検討しませんでした。そのBIツールは「決まった定型データを見る」のには向いていますが、アプリのような新規事業で、何を見るべきか探索的に分析していくフェーズには向かないと感じたからです。

また、CodatumはWebベースで共有しやすく、ノートのようなドキュメント形式で縦に情報を並べられるUIが、エンジニアではないメンバーにも馴染みやすいと感じました。KARTEと連動して深い分析ができる点も大きかったです。

――導入にあたって、社内での説得や懸念点はありましたか。

臼井さん:正直なところ、CodatumはWebで検索しても情報があまり出てこなかったので、周囲からは「本当にそのツールで大丈夫?」と心配されることもありました(笑)。ただ、私は直感的に「これならいける」と感じていましたし、構築の過程でもプレイドの担当者の方と対話しながら進められたので安心感がありました。 

従来のBIツール導入だと、要件定義をしっかり行ってから実装というウォーターフォール型になりがちですが、今回は「まずはこれを見たい」「やっぱりこっちを上にしたい」と会話しながらアジャイルに進められました。認識の齟齬が起きず、手戻りも少なかったですね。

佐藤さん:私もこれまでの経験上、システム構築は型が決まっているものが多かったのですが、今回はデータ分析に求める要件も手探り状態でした。その中で、求める要件が変わっても柔軟に対応してもらえるCodatumは非常にありがたかったです。実際、導入決定から1ヶ月程度でダッシュボードが形になり、経営層への報告にもすぐに活用できました


データから思いを想像し、ワーカーに寄り添う施策につなげる

――実際にダッシュボードを運用し始めて、どのような発見がありましたか。

臼井さん:一番の驚きは、「食堂メニュー」の閲覧数でした。我々は「わざわざアプリでメニューなんて見ないだろう」と思っていたのですが、蓋を開けてみると一番見られている機能だったのです。 このデータを受けて、ホーム画面のレイアウトを見直しました。

以前はニュース画像が大きく表示されていましたが、それを整理し、KARTEを使って「今、ジムで10分のプログラムをやっています」「モバイルオーダーはこちら」といった情報をタイムリーに出すようにしました。 例えば、モバイルオーダーのボタンを大きく表示したり、「1階で受け取れます」と具体的な情報を出したりすることで、心理的なハードルを下げることにつながったと思います。

結果として、ジムの利用者数が増えたり、イベントへの参加率が上がったりと、具体的な行動変容につながっています

――「企業ごとの分析」も行っているとのことですが、具体的にはどのように活用されていますか。

臼井さん:イベントの参加状況などを企業単位で見ています。例えば「パターゴルフ大会」を開催した際、普段はあまりイベントに参加されない企業の方が多く来てくださいました。その後、その企業のアプリ登録者数が増えたり、利用率が上がったりしているのがデータで確認できました

企業担当者の方に「御社の従業員の方はパターゴルフがお好きなようですね」とお伝えすることで、次の施策のヒントになりますし、企業の窓口の方を通じてさらにアプリを広めていただくきっかけにもなっています。

――社内のコミュニケーションや意思決定に変化はありましたか。

臼井さん:非常に円滑になりました。テナント窓口のメンバーから「今日のイベント、どれくらい人が来てる?」と聞かれた際に、すぐにCodatumを見て「今4000人くらいアクティブです」と数字で答えられます。店舗の方にも「これだけのユーザーがいるなら、こういう施策を打ちましょう」と提案できるようになり、それが店舗側の活力にもつながっています。

また、Codatumの画面は色使いもシンプルで、誰が見ても認識の齟齬が起きにくいです。ITに詳しくないメンバーでも「見やすい」と言ってくれますし、説明してすぐに理解して納得して帰ってくれるので助かっています。

佐藤さん:これまでは「感覚」で語っていた部分が、データという根拠を持って話せるようになりました。「この機能は使われていないから、一度やめてみよう」といった意思決定もスムーズになりましたね。

また、テック系ではないメンバーもデータへの関心を持つようになりました。「こんなデータも取れるんだ」と分かると、「じゃあこういう施策をしてみたい」「このターゲットにアプローチしたい」というアイデアが現場から出てくるようになりました。各領域のスペシャリストが、データという武器を得てチャレンジしやすくなったと感じています。

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AIエージェントでさらなるデータドリブンなカルチャーへ

――今後の展望についてお聞かせください。

佐藤さん:今後は、このデータ活用の取り組みを他の本部やメンバーにも広げていきたいと考えています。アプリの行動データが見えること、そしてそれがビジネスの成果につながることを実感してもらい、データドリブンな運営を組織全体の文化にしていきたいですね。 

Codatumを使えば、専門知識がなくても「見たい」と思った瞬間にデータにアクセスできる環境が作れます。自分たちの言葉でデータを語り、施策につなげていけるメンバーを増やしていきたいです。

臼井さん:私自身も、今はまだ私が間に入ってデータを出していますが、将来的には他のメンバーも自分でCodatumを触って、見たい数字を自由に見られるようになればいいなと思います。 

また、開発予定のAIエージェント機能にも期待しています。自然言語で「こういうデータを出して」と指示するだけでチャートが生成されるようになれば、SQLが分からないメンバーでもさらに活用が進むはずです。 導入時は目の前のことで必死でしたが、ようやく落ち着いてきたので、これからはより探索的にデータを深掘りし、ワーカーの方々にとって本当に価値のある体験を提供していきたいと考えています。

――データに基づいた柔軟なビル運営の形が見えてきました。本日は貴重なお話をありがとうございました。


社名野村不動産株式会社
所在地東京都
創業1957年
従業員数2,001名〜
事業内容マンション分譲事業、戸建分譲事業、投資・開発事業、ビルディング事業、建 築・設計事業、資産運用事業など
お話をうかがった方
芝浦プロジェクト本部 運営部 DX推進課 佐藤さん/臼井さん

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