Data Notebookツールの比較 2024:Querybook vs Codatum

By Codatum Team
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現代のデータ活用において、SQLは単なるデータ抽出のツールではありません。適切に管理・共有されたSQLとその実行結果は、組織の知的資産となり、データ活用の可能性を大きく広げます。

QuerybookとCodatumは、どちらもSQLを中心としたデータの抽出、分析、可視化までをNotebook形式で一貫して行えるプラットフォームです。これらのツールの本質的な価値は、以下の点にあります:

  1. 分析プロセスの再現性

    : SQLによる自由度の高いデータ抽出や分析のプロセスを記録することで、同様の分析を効率的に再現できます。

  2. 知見の共有と継承

    : 分析プロセスとその結果を体系的に管理・共有することで、組織全体のデータ活用スキルを継続的に向上させることができます。

  3. 生産性の向上

    : 過去の分析事例やSQL文を効率的に検索・再利用することで、新たな分析業務の生産性を大幅に向上させることができます。

本記事では、これら二つのプラットフォームの特徴と違いを詳しく比較し、組織のニーズに応じた最適な選択のための指針を提供します。

Querybookとは

Querybookは、Pinterestが開発し、オープンソースとして公開しているビッグデータ向けのIDEです。Notebook形式のインターフェースを採用し、データ分析のワークフローを効率化することを目指しています。

Querybook 管理画面

Querybookの強み

  • Notebook形式での分析

    : Jupiter Notebook風のインターフェースでSQL実行と結果の可視化が可能

  • スケジュール実行

    : 定期的なレポート更新の自動化をサポート

  • 豊富なデータソース

    : 主要なデータウェアハウスやデータベースに対応

  • 高い拡張性

    : プラグインシステムによる機能拡張が可能で、独自のコネクタやメタデータインテグレーションを追加可能

Querybookの課題

  • クエリ管理の制限: フォルダやタグによる体系的な管理機能が限定的

  • SQLサポートの制限: データカラムを含めた検索やクエリの分割・参照機能が不足

  • ダッシュボード機能の欠如: 定点観測のための可視化ツールが不足

  • 基本的な権限管理: 詳細な権限設定や外部共有機能が限定的

機能比較表

機能カテゴリ

機能詳細

Codatum

Querybook

Notebook機能

エディタタイプ

モダンなBlock-based

Traditional Cell-based

データセット検索

👌

SQL分割・参照

👌

管理方法

チームスペース・多階層フォルダ

シンプルなリスト

テンプレート

△(代替手段あり)

👌 (Jinja2)

ダッシュボード

可視化機能

👌

共有機能

外部ゲスト共有

👌

グローバルパブリッシュ

👌

👌

White Label Embed

👌

データソース

対応範囲

BigQueryのみ

👌 多数対応

権限管理

詳細度

👌 Role Based

基本的

モデリング

SQLモデリング

👌

メタデータ管理

👌

AIアシスト

機能範囲

👌 包括的

SQL生成のみ

提供形態

形式

SaaS

OSS, Self-hosting

セキュリティの考慮点

セキュリティは両製品を比較する上で重要な観点です。Querybookを含む多くのSQLツールでは、Jinja2などのテンプレートエンジンを使用してDynamicなSQL生成を行いますが、これにはSQL Injectionのリスクが伴う可能性があります。

Codatumでは、このセキュリティリスクを考慮し、代わりにSQL標準の構文を活用した安全な代替手段を提供しています。これにより、特に外部共有時のセキュリティを強化しています。

Notebook機能の比較

使いやすさ

Codatumは最新のBlock-basedエディタを採用し、Markdownの豊富な記法をサポートしています。テキスト、リスト、トグルブロックからSQLまで、シームレスな文書作成が可能です。

一方、QuerybookはJupyter Notebook風のCell-basedエディタを採用しています。Markdown機能などに対応しているわけでは無いため、Floating NavigationなどをClickしながら構成を作っていきます。従来型のインターフェースに慣れたユーザーには使いやすい可能性がありますが、最新のBlock-basedエディタと比べると柔軟性と生産性に欠ける面があります。

SQL支援機能

Codatumは、データセットの横断検索やSQL Chain機能など、高度なSQL開発支援機能を提供します。これにより、複雑なクエリの作成や管理が効率化されます。

QuerybookのSQL支援機能は比較的基本的で、高度な検索や参照機能はありません。

どのような時にどちらを選択すべきか

Querybookが適している場合

  • コストを最小限に抑えたい

    • オープンソースで無料で利用可能

    • 自社での開発リソースが確保できる

  • Self-Hostingが必要

    • 自社サーバーでの運用が可能

    • インフラ環境を完全にコントロールしたい

  • 多様なデータソースを扱いたい

    • 複数のデータベースやデータウェアハウスを統合して分析

    • カスタムコネクタの開発が必要

Codatumが適している場合

  • 素早い分析サイクルが重要

    • モダンなBlock-basedエディタによる迅速な分析レポート作成

    • データセットの高速な検索と再利用

    • 柔軟なデータ探索が必要

  • 効率的なSQL管理が必要

    • チームスペースやフォルダによる体系的な管理

    • SQLの分割・参照による再利用性の向上

    • チーム間でのコード共有とナレッジ管理

  • 分析知見の即時展開が求められる

    • 外部ステークホルダーとの安全な共有

    • ダッシュボードによる定点観測

    • 分析プロセスの記録と活用

  • セキュアな環境が必要

    • 詳細な権限管理による安全なアクセスコントロール

    • 外部共有時のセキュリティ確保

    • SaaS型での継続的なセキュリティアップデート

  • AIによる生産性向上を実現したい

    • SQL生成から最適化までの包括的なAIサポート

    • 分析プロセス全体での効率化

    • データ探索からビジュアライゼーションまでのAIアシスト

まとめ

データ分析ツールの選択は、組織のニーズ、予算、技術要件によって大きく異なります。Querybookは、コスト効率と拡張性を重視する組織に適した選択肢となります。

一方、Codatumは最新のテクノロジーとユーザー体験を重視し、より効率的でセキュアなデータ分析環境を提供します。特に、組織的なSQL管理、高度な分析機能、安全な情報共有が重要な組織にとって、Codatumは理想的な選択となるでしょう。

データの力をビジネスの競争力に変えていきたい組織には、充実した機能セットとモダンな使用感を備えたCodatumをお勧めします。最新のテクノロジーとユーザーエクスペリエンスで、データ分析の可能性を大きく広げることができます。

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